◆新着情報◆参加申込受付中  2026年10月5日(月)隂山英男 公開授業&講演会 /2026年8月25日(火)陰山英男先生 特別講演会レポート掲載

【開催報告】2026年8月25日 陰山英男先生 特別講演会レポート

テーマ:「 隂山メソッド3.0で自尊感情を上げ学力保障につなげる」

8月25日、福岡県鞍手町立鞍手中学校にて陰山英男先生を招いた特別講演会が開催されました。

会場には約100名の教育関係者が集まり、オンラインでも全国の教育関係者が参加。現地・オンライン双方で、先生の実践に基づく言葉に真剣に耳を傾ける姿が印象的でした。

講演では、「 隂山メソッド3.0で自尊感情を上げ学力保障につなげる」というテーマのもと、漢字・語彙・計算を中心とした基礎学力の徹底と、デジタル活用による効率的な授業づくりについて、具体的な成果データと実践事例を交えて紹介されました。

基礎学力の徹底が“全教科の理解”を押し上げる

東京都町田市立小山田南小学校の事例では、今年度の全国学調において
・国語:全国平均比+8ポイント
・算数:全国平均比+10ポイント
という成果が示されました。昨年度までは全国平均を下回っていたのが1年でこれをクリアしました。

特に、応用力の必要な記述力に関しては全国はもちろん東京都の平均も大きく超え、さらに最上位層の児童数が大幅に増加した点は、参加者に強い印象を与えました。
陰山先生は、「基礎を固めれば応用は自然に伸びる」  と繰り返し強調し、漢字・語彙・計算がすべての教科の学力向上を支える土台であることを説明しました。

短期間で成果が出る学習設計

講演では、小山田南小学校にて短期間で成果が現れた具体例が多数紹介されました。
1年分の漢字熟語学習を集中的に優先して行うことで
・長期休み明けの漢字テストで85%が合格
・特別支援学級でも高い定着率
・6年生の漢字テストの点数が1桁だった児童が、1ヶ月で得点が85点(10倍!)と大幅に向上
・この学習法により国語だけでなく全教科の得点力がアップ
・小学生が中高生より高い読解力を示した事例

学習法のポイントになる教材は「漢字辞典」の活用であり、漢字辞典による熟語学習による基礎学力の徹底が「学年差」や「個別の事情」を超えて効果を発揮することを示すものとして、参加者から多くの共感が寄せられました。

コロナ禍における実践と学習効果

コロナ禍で授業時間が制限された際に、田川市では休校期間中に隂山ドリルで年間カリキュラムを予習し、休校明けは超高速で授業を実施したことで、逆に学力が急上昇した事例が紹介されました。

陰山先生は「基礎学力と計算力が担保されていれば、高速で授業を進めても児童・生徒はしっかり理解出来て、何回も繰り返すことで学力向上につながる」と明言しました。

英語の学力低下と対策

全国学力状況調査の結果から、陰山先生は「英語学力の低下」を指摘しました。
 ・2021年度英語結果 501.1
 ・2024年度英語結果 478.2 ▼22.9ポイント

学習すべき英単語量の増加に対し、読み書きを中心とした中学校英語との整合性や、小学校での活動中心の英語学習が中学生の英語能力に負の影響を与えている可能性を指摘しました。

アルファベット言語の習得においては、従来の書き取りによる学習ではなく、言語構造に適したタイピングを用いた学習が効率的であると主張しました。

デジタル活用で授業はより効率的に

陰山先生は、従来の授業の課題を指摘しながら、
デジタルによる異次元の基礎学力習得により、「授業を3倍に高速化する集中速習」そして「子どもが自力で読み解く授業」 への転換を提案しました。

・百ます計算のデジタル化により、百ますのタイムは30秒以内の高速化
 さらに百わり計算(あまりの出る割り算)の2分以内を達成することでの高知能化
・タイピングを活用した英語学習による小学校での「英語700語」問題の解決
・圧倒的基礎を前提としたAIを使った調べ学習(歴史の背景を自分で調べて発表する)

これらの実践は、デジタルが“学力向上のための道具”として有効であることを示し、参加者からは「すぐに取り入れたい」という声も聞かれました。

学校運営は担任任せから組織的な指導体制

陰山先生は、学力向上の鍵は「学校全体で指導を統一すること」  と明言しました。

特に、
・3年生の漢字の難易度
・高学年での学力低下傾向
など、学校が抱えやすい課題を“担任の努力”に依存させず、学校として共有し、組織で解決する体制づくりの重要性が語られました。

参加者の心に残ったメッセージ

講演の終盤、陰山先生は次のように述べました。

「子どもは必ず伸びる。伸ばす方法を知っていれば、誰でも伸ばせる。」

この言葉は、現地・オンライン双方の参加者に深い印象を残しました。

鞍手町立西川小学校長の決意表明

閉会挨拶では、鞍手町立西川小学校長が、
「本日の学びを2学期の学校運営に具体的に反映していく」  と力強く述べました。

西川小学校はこれまでも早くから陰山メソッドを独自に取り入れ、陰山先生ご自身が驚かれるレベルで実践し成果を積み上げてきた小学校です。
・ドリルタイムでのデジタル活用の本格化
・語彙力向上の学校的取り組み
など、講演内容を学校全体で実践していく姿勢が示されました。

今後のアクション

・漢字学習の徹底(教科書進度に縛られない)
・国語辞典・漢字辞典・漢語辞典の授業内活用
・単元テストに対応したプレテストの実施と運用
・デジタル百ます計算・百わり計算の全学年導入と飛躍的なタイムの実現
・音読教材のデュアル運用
・単元まとめプリントの活用
これらは、陰山メソッドの中核であり、全国の学校で成果が出ている実践です。

まとめ

今回の講演会は、会場約100名の熱気に全国からもオンラインで教育関係者が参加しが同じ方向を向いて学び合う場となりました。

最新の取り組みについて事実に基づいた熱量をそのまま伝えることで、「学校全体で学力を伸ばすための具体的な道筋」が共有された研修会となりました。
今後も実践に裏打ちされたデータが次々に報告されていくと思います。次回の開催もお楽しみに。

※今回15年前にテレビ放映され、陰山メソッドを実践する様子が映っていた鞍手町立西川小学校の子供たちの中から、大人になって鞍手町の小学校に教員として帰ってきて、今回の講演会に参加されていた新任の先生が陰山先生との再会を果たしました。「隂山メソッドが楽しかった」と当時を振り返り話してくれた先生に陰山先生も感無量のご様子でした。

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